研究者レポート

黒木 喜美子(オックスフォード大学)

滞在レポート

NDMRB所属のSarah Rowland-Jones教授の研究グループメンバーの多くは他国からの留学生、研究員で、それぞれの専門も医学、統計学、遺伝学とバラエティに富んでいます。グループの人数は少なく、博士課程最終年度の4名は自宅または図書館で論文執筆に専念しているため、研究室はひっそりしていることが多いですが、遺伝子研究を主とする研究室において、多型産物の構造・機能を解析する系の立ち上げに携わっています。
毎週水曜日9時半からのグループセミナーはフリーディスカッションを主としており、自分たちの研究内容にとどまらず、さまざまなラボの問題点、最新論文や学会で得た情報の共有を行なう場です。教授・ポスドクと博士課程の学生が対等に議論し合うのが新鮮に感じました。また、毎週木曜日9時半からのHIV研究に携わっている複数グループの合同セミナーでは、毎回1名が研究報告を行ない、深い議論を交わしていました。複数グループが参加することで、HIVという共通した研究テーマを持ちつつも、幅広い研究手法、さまざまなHIV感染における課題を知ることができ、とても勉強になりました。さらに、異なる研究所との共同セミナーがWIMMで毎週金曜日に開催され、自由に参加することができます。このような形でのコラボレーションも有意義であると感じました。


オックスフォード大学Old Road Campus内のNDMRB NDMRB内Reception
オックスフォード大学Old Road Campus内のNDMRB
(Nuffield Department of Medicine Research Building)
NDMRB内Reception。入って階段を降りるとカフェスペースがある。
所属していたのは階段を上がった2階(1st Floor)。

2016年4月14日
初めてSarah Rowland-Jones教授グループが所属するNDMRBへ行きました。まだ息子が小学校へ通い始めていなかったので、子連れではカフェ区域までしか入ることができず、そこで簡単な打ち合わせと今後のスケジュールを話し合いました。Early exposureに厳しく、子供は研究室内に立ち入れないこと、共同研究者であっても、visitorとして事前登録しておく必要があること、Receptionでの出入り管理が日本に比べて厳格であることに驚きました。

2016年4月17日
Sarah Rowland-Jones教授の家族と、2015年秋に北海道大学に滞在して共同研究を行なった博士学生がランチに招待してくれました。Oxford周辺の観光地や教育事情などについていろいろ教えてもらえました。

2016年7月13日
Oxford大学Simon Davis教授、Sarah Rowland-Jones教授、派遣中の福原秀雄、黒木喜美子と北海道大学前仲勝実教授でスカイプディスカッションを行いました。福原、黒木の滞在中のプロジェクト確認とともに、帰国後の研究継続・発展についても話し合うことができました。実際に滞在し、研究室メンバーと交流する中で、新たな研究テーマも生まれ、具体的にプロジェクト期間中にOxford大学でやるべきこと、北海道大学でやるべきことが見えてきました。

2016年9月3日
Sarah Rowland-Jones教授宅の国際色豊かな研究室メンバーが各国の食事を持ち寄ってのランチパーティーに参加しました。博士論文執筆で忙しい学生や家族、パートナーを含め、皆が各国の料理を楽しみました。日本料理としてはリクエストされたお好み焼き、枝豆、焼うどんを持っていきました。

2016年12月16日
Sarah Rowland-Jones教授のクリスマスディナーが中華料理店Zhengでありました。どの研究室でもクリスマスディナーは日本の忘年会のように定番の行事のようです。OB、OGや家族、パートナーが参加し、にぎやかなパーティーとなりました。また、研究所で開催されるクリスマスパーティーには、普段建物に入ることのできない家族同伴で参加することができます。今年は、NDMRBとWIMMが同日(12月8日)開催だったので、WIMMのクリスマスパーティーに参加、息子も初めて父親が働く研究所のカフェに入ることができました。

2017年2月17日
Cardiff大学のSimon Kollnberger博士と帰国前のディスカッションを行いました。Simon博士は3月から日本に2か月滞在し、共同研究を行なうため、そのために必要なマテリアルなどの打ち合わせを行いました。

2017年2月21日
Sarah Rowland-Jones教授グループがHeadingtonのBlack Boyで送別会を開いてくれました。あっというまに英国滞在が終了し、一緒に研究した博士課程の学生も無事に審査を終えることができました。彼女は、私たちが帰国する前日にもホテルまで修正中の博士論文を持って駆け付け、最後のディスカッションをロビーで行いました。

2017年2月23日
Sarah Rowland-Jones教授と滞在中最後のディスカッションを研究室で行いました。今後のプロジェクトの進め方と、執筆中の論文についての打ち合わせを行い、再会を約束しました。


グループメンバーが開いてくれた送別会
グループメンバーが開いてくれた送別会